前回、「地域おこし協力隊という制度のアレコレ」という記事で協力隊の業務やらなにやらについて話したので、今回は誰も教えてくれない闇と光を。笑
協力隊になる上で、よくあるトラブルと協力隊になるといいことをまとめていきます。
実際の協力隊員から聞いた話もあるので、ご参考に。
目次
協力隊の闇
いろいろあります、闇。その闇と解決法などを書いていきます。
完全に協力隊目線です。
「活動費、全然ないじゃないか!」の巻
とある協力隊ですが、活動費の予算が7万しかない、と言われたそうです。そして、イベント企画するたびに、そんなに予算がない、と言われるようでした。もちろん、100万円や1000万円かかるような企画ではなく、数万円でできる企画なのにです。
活動費としては200万円交付税がでているのですが、たとえば協力隊用の公用車等の購入はそこから出すのかもしれません。
【解決策】給料分や活動費分の交付税の残金を役場に確認しよう!
職員に嫌われるかもしれませんが、自分が気持ちよく活動するために、お金のことはきっちりしてもらいましょう。
その分、使うときだってきっちりしましょうね!
活動費等は、今なににどれだけ使って、残りがどれくらいあるかっていうのを確認できるはずですので、役場の担当職員に聞くのがベストです。
「お金を呼び寄せたら捨て駒か!」の巻
協力隊1人採用につき年間400万円の交付税が自治体に入るのですが、それって田舎のような過疎ってる自治体にとってはかなり大きいことです。が、せっかくやる気があって田舎に移住し、活動をしようと思っている隊員でも、役場職員が全然フォローしてくれないなど、思うように活動できないことがあります。
最大の理由は「交付税も出るし、とりあえず呼んでみた」パターン
そうなんです。交付税が出るから呼んでみた。しかし、この中にも2パターンあります。
「とまどい」職員も、右も左も分からんちん。
特に、初めて協力隊を受け入れる自治体はこのパターンが多いです。協力隊と、どのくらいの距離感で、どのくらいの熱量で接すればいいかがわからない。何を頼んでいいかも分からない。どうしようどうしよう状態で、協力隊を呼んでみたはいいものの、活動のフィールドを見いだせていないパターン。
「消化試合」職員がやっつけ。
やっつけ仕事のように、協力隊業務をこなす職員もいるようです。ぜんぜん相手にしてくれない。ぜんぜん頼んだことやってくれない。あれ、担当さんの名前なんだっけ? うーん。
みたいな。
「とまどい」「消化試合」は、地域おこし協力隊制度の欠陥
そうです。とりあえず呼んでみたはいいとしても、他の2つは地域おこし協力隊制度の欠陥でもあるかと思います。
政府は地方創生にあたり、協力隊制度を推し進めているし、数字や資料では成功しているように思ってるかもしれませんが(そこしか見てないし)、細かく自治体にフォーカスしていくと、役場職員はてんてこ舞い、協力隊は疲弊しているなんてところもあるわけです。
なぜ欠陥か、というと、まず、職員の研修などがない。
協力隊を受けいれようとする自治体は、協力隊受け入れで成功している別の自治体に直接話を聞いたりすることが多く、政府から受け入れに際してのアドバイスや既に受け入れている自治体の紹介などはないのです。
「制度用意したよ。既にやってる地域もあるよ。あとはそっちで頑張って」みたいな感じです。
また、受け入れるに当たって、出るのは協力隊の報酬のみで、役場職員の負担は増える一方。
そもそも過疎地域の役場で、予算に余裕なんてないので臨時職員を雇うこともできず、今までの仕事に協力隊業務が加わります。業務が増えるのです。そりゃ、やっつけにもなりますね。
【解決策】面接時に、こっちも面接する。
自分が面接される側なのですが、同時に自治体職員の面接もしてみましょう。
基本的に担当職員が面接をするはずなので、その人にやる気がありそうか、こちらの意見も聞いてくれそうかなどを見るといいかもしれません。
「強制的に先輩隊員の後釜」の巻
自分なりのビジョンがあり協力隊になった人もいるかと思いますが、やる気満々で移住してみたら、活動内容は先輩隊員の引き継ぎが多かったりすることがあります。そうすると、気が付いたら、引き継ぎだらけで思うように活動できてないやん!みたいなことになって、ストレスが溜まっていきます。
上下関係、あります。
すべての地域ではないと思いますが、場合によっては協力隊にも上下関係ができます。
年齢や性別、キャリアなど問わず様々な方が協力隊になるのでしょうがない部分もありますが、その上下関係が活動にまで影響を及ぼすことがあるのが難しいところです。
【解決策】他の隊員から引き継ぐことがあるかどうかを聞く
事前に担当職員などに、他の隊員からの引き継ぎ事項があるかなどを確認しましょう。
また、同じフィールドで活動する隊員とは上下関係ができやすく、そこから強制引き継ぎにつながることもあるので、同じフィールドで活動する隊員がどういう方なのかも確認するといいと思います。
「担当さん、やる気ありすぎ」の巻
タイトルだけ見るとすごくいい気もしますが、担当職員のやる気がありすぎて、あれこれ指示されるパターンもあるようです。
担当職員さんがやりたかったことを協力隊にやってもらうことで、「協力隊がやるなら」という感じで予算がおりたりするのが根本的な理由だったりします。
【解決策】担当職員の目のギラつきを見る
どれだけ目がギラついてるかです。
あとは、担当さんと密な関係を築いて、そこに同調しながら自分のやりたいことも推していくのがベストですね。
「あんたは、よそ者だろ!すっこんでろ」の巻
悲しいかな、協力隊は住民にとってはよそ者なのです。どれだけ、その地域に尽くそうと思っても、住民が受け入れてくれないところもあります。
役場の人が間を取り持ってくれるのがベストなんですがね。こればっかりは、役場次第。また、受け入れてくれていたけど、あるトラブルがきっかけで住民が相手にしてくれなくなったなど、よくある話です。人間関係、一度壊れると修復が大変ですね。
ただ、多くのトラブルはそれまでの生活と田舎での生活の差異の部分で生まれます。
「郷に入りては郷に従え」とは言いますが、なるべく田舎の礼儀に従ってトラブルを起こさないように過ごすのがベスト。
一度、信頼関係を築くと何よりも固いものになるのは間違いないです。
【解決策】少しずつ、歩み寄る。
これしかないように思います。最初は相手も様子を伺う感じだと思います。
手っ取り早いのはイベントなどの手伝いを率先して行うこと。テキパキ・ハキハキって感じですかね。
でも、いいこともあるんだ協力隊。
嫌なことばかり書きましたが、そういうことばかり起こるわけじゃないです。いや、というか滅多にないと思います。
あくまで一例です。なのでいいことも書いていきます。
地域住民と仲良くなりやすい
そうなんです。やっぱり協力隊という立場上、地域住民と関わることも多いので仲良くなりやすいです。仲良くなればなるほど、田舎生活が豊かに、楽しくなっていきます。どんどん住みやすくなっていきます。
ですので、田舎移住を考えている人で、人間関係の不安がある人にとってはいいかもしれません。
ただし、もしすでに協力隊のいる地域だったら、注意してください。先輩隊員の評判が悪いとそれはあなたの評価に直結します。
給料もらいながら、田舎生活できる
収入面に不安があって、なおかつ、「おためし田舎生活」がしたいと思っている方にとってはすごくいい制度かもしれません。
任期は最長3年。家も用意されたり、場合によっては車も用意してくれるので至れり尽くせりです。ただし協力隊としての業務をこなすことが前提にありますが、それさえ自分の中で落とし所を見つければ、自己実現への近道になるかもしれません。
観光系の仕事に携われる
観光系の仕事に携わることができます。観光系の仕事って、なかなか関わるとっかかりが難しいらしいです(聞いた話によると)。そういった中で、活動地域の観光に携わりその実績をもって次のステップを踏むということも不可能ではないです。
個人的に協力隊になってよかったな、と思ったこと。
野菜たくさんもらえる
これは協力隊に限らずなのかもしれませんが、野菜とかおかずとかたくさんもらえます。食費が浮きます。
いろんな友人・知人が増える
もちろん、協力隊という枠組みでの繋がりもそうですが、「地域おこし」「田舎移住」「同郷」などさまざまな要因での繋がりが増えていきます。そういったところから、また新たな動きが起きてきて、楽しい生活が送れます。忙しいけど。
役場の仕組みを知れる
これは大きいです。役場がどういった仕組みで動いているのか、どういう流れで補助金が降りるのか、縦割り文化の利点や弊害、その他もろもろの役場の内情を見ることができます。
民間企業と大きく変わるところ、さほど変わらないところがあり、それらを知ることで、地域おこし活動に関わらず、役場に協力を仰ぐときに、どういう落とし所を用意しておけばいいか、などの検討がつけやすくなりました。
結論、楽しいです。
そりゃ、大変なことも嫌なことも辛いこともあります。
でもそんなのどこでどんなことしてたってあることだし、嘆いてたって仕方ない。
結論、楽しく協力隊・田舎生活を送ってますよ。文句や愚痴ももらしながらね笑
まとめ
いろんな側面があります。でもそれは一般企業だってどこだって一緒だと思います。
自分がやりたいことと、周りから要求されること、そして自分を取り巻く環境、それらとうまくバランスをとっていける人が協力隊に向いているような気がきます。(なんでもそーか)